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テス王国

テス王国

西のシャナイ山脈、東の山岳地帯ともに、鉱物資源に恵まれ、温暖な気候で農産物も豊富。国境はすべて他国と接し、ギルデアがボーを併合してからは、唯一海のない国である。

国家の紋章は、雪を戴く三つの山を背景にした、春歌鳥と蔓性植物サッハル。三つの山はそれぞれ、シャナイ山脈、東の山岳地帯、南部の山並みを象徴している。

首都は北部のエステ。薔薇色の大理石でできた都で、丘全体が街であり、緑の森と調和している。南部の古都ディアナも大理石の美しい街で、水道橋や競技場など古代アルディス王国の遺跡が数多く点在し、王国の首都であったともいわれている。ディアナの東には、風光明媚な湖水地方があり、リーヴの故郷サラは、精霊伝説が伝わる、とりわけ美しい湖のほとりにある。

鉱物資源では、特に、五十年ほど前に発見された鉱石セレインヒースが豊富である。
古代アルディス王国の時代から盛んだったといわれるのが養蚕業。透けるように軽い絹織物は、世界一の美しさとたたえられる。室内装飾のための生地も織られ、絹の絨毯は、イルバーンの悠久山羊の毛織り絨毯と双璧。シャナイ山脈の山岳羊の毛織物も繊細で暖かく、古くから世界の王侯貴族に珍重されている。

牧畜では圧倒的に羊の放牧が多く、羊の毛織物も品質が高い。
牧草地を含め、独特のハーブが多く見られ、ハーブの花の蜂蜜は濃厚で薫り高い。茸類や、胡桃や栗も豊富で、蕎麦の栽培も盛んである。湖水地方は世界的に珍しい栗麦の産地。蕎麦粉や栗麦粉を使ったカシェルは、ラニッカとともに、外国を旅するテスの人びとが特に恋しく思う郷土料理。どちらの料理にも羊の乳製品が不可欠である。また、シャナイ山麓のセントベール村は、葡萄酒の産地として名高い。

湖水地方の南、急峻な山が連なる彼方には、人の世界とフィーンの世界を隔てて、雄大な白銀の川が流れている。