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リーヴェイン

リーヴェイン

大陸の東端に位置し、最果ての国とも呼ばれる緑豊かな小国。西には万年雪を戴くウォロー山脈がそびえ、大国アトーリスとの国境をなしている。長らくアトーリス王国の属国的立場にあったが、200年前に独立した。
北から流れ込む寒流の影響で、冬の寒さは厳しいが、雪解けの季節には、水色の可憐な花ローレアが咲き乱れ、春の終わりまで丘という丘を彩る。

国家の紋章は、薄葉楓の葉。周囲の白と黄の文様は、雪と太陽――長い冬と訪れる春の象徴で、季節のめぐりと自然の恵みを表している。地色はローレアの花の水色。

農業と芸術、特に音楽の国である。作曲家レンドレーナと、彼が愛した優美な鍵盤楽器フレシートは、横笛のセリートとともに、この国が世界に誇る宝で、クレナの都とノアッドの街が生産の拠点となっている。
クレナは、丘の上の王宮をはじめ、クリーム色の石灰岩(ライムストーン)の街並み。屋根は薄灰色で、優しい印象。ノアッドは煉瓦造りの古都である。

牧畜と酪農、養蜂が盛んだが、特産品として世界でも名高いのは、薄葉楓の樹液から作られるシロップ薄葉糖で、料理からデザート、飲み物まで、用途は幅広い。薄葉楓は、おもに北東部に分布し、世界的に稀少な樹木で、薄葉楓からなる森は明るく美しいことで知られる。同じく稀少なオオユリの木の群生地は、おもに南西部に分布している。

ウォロー山脈の北部山麓には、古くから、谷間に広がる桑の段々畑で養蚕業を営む地方があり、良質の絹を生産している。桑の実のジャムと桑の葉茶も、滋養豊かで薬効があり、重宝されている。ヨハンデリ夫人がタペストリーで使うのは、主にこのウォロー山麓の絹糸。果樹では特に、杏、林檎、さくらんぼが、他国に比べて小粒で、甘みと酸味のバランスが素晴らしい。
海の幸にも恵まれ、東海岸の牡蠣はつとに名高い。北部の断崖に生息する海鳥の卵は珍重され、燻製にして、都のみならず、世界中の王宮に運ばれている。ウォロー山麓と南島の葡萄酒も芳醇で上質である。