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イルバーン

イルバーン

ボーリアン海と北アルディス海に面し、南部の陸路とともに古くから交易で栄えた国。
南北に長い悠久山脈が国土を二分し、アトーリスとの国境には、豊かな内海、翡翠の海が横たわる。北の沿岸部は、遥か西方からの暖流と海底火山、暖かな西風の恩恵を受けて、冬も比較的温暖だが、悠久山脈から西、内陸の気候は寒冷である。

国家の紋章は、太陽、矢、蹄鉄、錨。太陽は王家の象徴で、錨は海洋国家の象徴。矢と蹄鉄は、古くから盛んである狩りと陸上交易の象徴で、地色の赤は、悠久山脈の東西に広がる赤土の大地を、翡翠色は、王家の宝石、翡翠を表している。

国土のほとんどが古代アルディス王国の勢力圏ではなかったため、独自の文化が発達して民族色豊か。古代の大国の影響はこの国全体にゆっくりと広がり、既存の文化と混ざり合っていった。
首都ハーレは、金と翡翠色の装飾タイルで彩られた、赤い大地に築かれた都。緑色のタイルには、北部の巻き貝からとれる翡翠色の染料が使われている。クリーム色の石灰岩の街、ラマン、レマンとともに、三大古都。石造りの建物は、ギルデアと同じ大きな両開きの扉が特徴的だが、イルバーンの扉は繊細な植物柄の彫刻が施してある。

イルバーンは火薬が発見された国であり、それが悠久山脈の鉱山の発展へとつながっていった。製鉄技術も優れている。
各地で良質な温泉が湧き、中でも国境の街サルバーシュは王家の保養地であったが、現在は激戦地となっている。

農産物では、赤土の大地で育った馬鈴薯がつとに有名。南部には葡萄畑が広がり、南レマンの葡萄酒は世界的に名高い。柑橘類や香辛料も、ギルデアと並んで豊富。北部は綿花の栽培と、帆布のための亜麻の栽培が盛ん。悠久山羊の毛で織った絨毯と、金糸を織り交ぜた悠久織で知られる悠久山脈は、名馬と馬具、翡翠と琥珀の産地としても知られる。
また、豊かな漁場に恵まれ、古くから漁業の島であったホーン島の漁師のあいだには、海の獣ホーンの伝説が残っている。貝の養殖で知られるテッサ島は、木管楽器ロセッタの発祥地である。