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旧ボー王国

旧ボー王国

ボーリアン海に面し、古くから海運で栄えた海洋国家。アルディス暦2279年にギルデアに併合され、現在は、ギルデア帝国ボー州。国王は州の提督に就任し、王家は存続しているが、事実上の軟禁状態にある。
大砂漠の果てにあるという西の海からの暖流と、西風の恩恵で、気候は温暖。旧都ベガは、入り組んだ海岸線の美しい湾に面し、北の真珠と呼び称えられた。

王家の紋章は、海洋国家を象徴する海と帆船。六つの地方を表す星と、王家の宝石である真珠と珊瑚があしらわれている。

海岸沿いを中心に、北部松と北部楢、ボー杉が広範囲に分布。北部楢とボー杉は主に造船に適し、北部松は主に木造建築に適する。街並みは、その北部松を使った木造に白い漆喰の壁、青灰色のスレート屋根。白と青灰色の組み合わせは、青い美しい海に囲まれたボーによく映える。

古代アルディス王国の支配圏外であったため、独自の文化が育った。
ボーリアン島のボーリアン硝子は世界中の王室から愛されている。この島はまた、真珠とボーリアンリュートでも名高い。北部沿岸の漁師の妻が編む白いレースも、ボーが誇る工芸品である。
北東部は良質な麻となる亜麻の産地で、そのほとんどは丈夫で耐久性のある優れた帆布として、世界中の帆船に使われていたが、現在はギルデア帝国が独占している。
漁業が盛んで、岩牡蠣と魚の燻製が名高い。良質な塩田にも恵まれている。

ギルデアとの国境の街トレンカは、古くから交通の要衝として知られる。兄王のあとを継いだダイロスが、かつてはギルデアの領土だったと主張して突如侵攻したのが、このトレンカである。
ギルデアがボーを最初に狙ったのは、海路と優秀な海軍、軍艦の建造技術ゆえといわれているが、ギルデア帝国軍において、旧ボーの兵士は、特に優れた将校は例外として、見下され、不平等な扱いを受けている。